2021/3~2022/9
課題背景
同社は株式会社JMDC(4483: 東証プライム)の子会社で
薬剤情報をデータ化して医療従事システムへと提供することをビジネスとしております。
基幹システムはMDBとSQL Server主体で作られていましたが30年間、バージョンアップや機能追加を行って
業務を遂行し続けている間に、担当者やシステムベンダーが入れ替わり
いつしかシステムの全貌がわからなくなりました。
無数のバッチ処理により、どのデータがどの機能のためのもので、何のために、どこに配布されているのか、
全くわからない状態になっていたのです。
また、大きな処理として55種類のDBによるデータ加工処理がありました。
この処理に関するドキュメントは存在せず、マニュアルとチェックリストのみがあるだけです。
日常の業務においては、機能の増加に伴ってボタンの数が20個に増えたりして作業がどんどん煩雑になり、
作業担当者は、ボタンや作業の順番を覚えたりチェックをしたりすることに忙しく、連日残業が続いていました。
このため属人化も著しく、熟練の担当者の作業によってなんとか毎月の業務が回っているような状態でした。
しかし誰にも何ともできない状態がずっと続いていたのです。
解決方法
プロジェクトではまず、バッチ処理の中で無意味な処理を削減する方法として独自ツールを開発し、
出力データが使われているか?使われていないか?の当たりをつけました。
そしてツールの結果と照らし合わせて、担当者が「よくわからない」ものは除外して業務処理を回してみました。
このトライ&エラーによって、月に2回はある処理で
1回あたりの処理時間を6→2時間と削減させることに成功しました。
続いて、55個の各データを作るデータ加工処理ですが、こちらはベトナムエンジニアの力を借りデータの入出力と加工工程を詳細設計として興しました。
可視化することで全体概要と主要データの流れがわかります。
その結果、同社の業務情報は前月分との差分が肝になるとわかり、変更前・変更後の値を検知する機能があれば共通化できると判断しました。業務共通のシステムアーキテクチャの開発に結び付いたのです。
このコアとなる機能のお陰で、1機能当たりのテーブル数が数十個から数個まで減り、
かなりの無駄な処理を省くことができました。
以下は本案件でのBefore/Afterを示したものになります。
本プロジェクトにおいては、
・名寄せ
・データ取込(差分検知)
の機能について他案件で再利用することを視野に入れて、モジュール化しております。
Kamiteru©は最新技術の塊であるだけでなく、日本の緻密な業務に対応したモジュール群でもあります。
現在は基幹システムの設計・実装が完了し、弊社の手を離れましたので
情報システム部門担当者が少しずつ業務移行を行っております。